バレエ「パ・ド・カトル」は優雅で美しく、軽やかな踊りは妖精のようです。
バレエを習っている生徒の皆さんは一度は踊ってみたい、きっとそう思う踊りの作品の一つです。
発表会で踊るためには、条件が整わなければ踊ることが難しく、他の作品より練習にも多くの時間が必要な踊りです。
4人それぞれにソロの踊りがあり、そして4人全員で踊るという、単に踊るだけではなく踊りの広がりと盛り上がりを持った作品には、それに見合う4人の生徒の力量と表現力、テクニックが必要だからです。
初演の「パ・ド・カトル」について
ロマンチックバレエ作品で、当時最高に人気のあったバレリーナ4人が一堂に会した前代未聞の話題のバレエ。

このバレエ作品の当時のリトグラフから、4人のバレリーナたちの雰囲気から、1845年7月12日7月12日ロンドンのハー・マジェスティーズ劇場で披露された初演の様子が窺えます。
振付:ジュール・ペロー
音楽:チェーザレ・プーニ
出演:
ルシル・グラーン
カルロッタ・グリジ
ファニー・チェッリート
マリー・タリオーニ
初演:1845年7月12日
ハー・マジェスティーズ劇場(ロンドン)

初演「パ・ド・カトル」の踊りの振りは現存していません。
というのも振付を行なったペローが振付を記録していなかったので、現在私たちが見る「パ・ド・カトル」の踊りが実際はどのような振りであったのかは不明なのです。
およそ100年後の1941年イギリスの振付家アントン・ドーリンによって復活された踊りが、今日私たちの知っている
「パ・ド・カトル」の踊りです。
ちなみに、初演で踊った4人のダンサーの出身と代表作は次のとおりです。
◎ルシル・グラーン(デンマーク)
『ラ・シルフィード』
デンマークバレエの最重要ダンサー。
◎カルロッタ・グリジ(イタア)
『ジゼル』
ロマンチック・バレエ時代の最も有名なダンサーの一人。初代ジゼルとして歴史に名を留める。
◎ファニー・チェッリート(イタリア)
『オンディーヌ』
ロマンチック・バレエ時代の最も有名なダンサーの一人
◎マリー・タリオーニ(スウェーデン=イタリア)『ラ・シルフィード』
バレエ史上最も重要なダンサーの一人。
ロマンチック・バレエ時代の最も有名なダンサー
野沢バレエの「パ・ド・カトル」

小さなバレエ教室では小さい時からバレエを続けて、高校生や大学生など大きくなってもバレエを続けている生徒はそんなに多くはいません。
だから、4人が揃い、しかも持っているテクニックもあまり差がなく、そして年齢が近い。
これが、バレエ教室の発表会で「パ・ド・カトル 」を踊る条件となります。
この条件が揃ったとき、初めて「パ・ド・カトル」は踊ることができる、ある意味奇跡のバレエ作品なのです。
野沢きよみバレエスタジオでも作品としてきちんと発表会で踊ることができたのは一度だけです。
今回、冒頭にご紹介している動画がその作品です。
動画をご覧になるとお分かりのとおり、違和感を感じることなく踊りを見ることができます。
4人の踊りにテクニック的な差を感じることもなく、年齢も近く、プロのダンサーの踊りとまではいかなくても、かなりいい踊りをしているのが分かります。
クラシックバレエの優雅さと美しさ、華麗な雰囲気をどこまで踊りで表現できているのか、動画で確認して頂ければ嬉しいです。
踊りにストーリがあるわけではないので、見る側にとってはときに、退屈になってしまう場面もあります。
バレエを知らない方には同じような踊りが4回も
見るような印象を持ってしまう方もいるかもしれません。
しかし、それぞれの生徒が与えられた踊りを一生懸命踊る姿は、バレエの持つ魅力を感じることができるという機会でもあります。
1830年以降ヨーロッパに流行したロマン主義芸術の影響を受け、ロマンチックバレエといわれているバレエ形式のバレエ「パ・ド・カトル」ですが、この時期、バレエの衣装、ポワント、爪先立ちという現在のバレエの原型といっても良い美しく、しかも踊りの技術も一気に加速、進化したのもこのロマンチックバレエの特徴の一つです。
ある意味バレエの原点ともいえる作品の一つをぜひご堪能ください。
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