バレエやオペラのユーモアが世の中の不条理を笑い飛ばしてくれる

バレエとオペラのユーモアが不条理から救う

ショスタコーヴィチの『鼻』はユーモアたっぷり、元気になる踊り

イギリスのロイヤルオペラハウスのX(旧Twitter)に投稿されている動画は、ユーモアがあっていかにも英国を感じさせます。

イギリスといえばシャークスピアを生んだ文学が有名ですが、演劇もとっても有名です。

今回ご紹介した「鼻」のダンスはバレエではなくオペラの一部です。

しかし、とってもユーモアがあって、みていて可笑しく、思わず笑みがこぼれてしまいます。

ユーモアは人を楽しく、愉快にさせる魔法のようなものですね、

ロイヤルバレエにはこのユーモアがいろんな作品の中に溶け込んでいて、みていてバレエではなくコメディーのお芝居を思わせる作品がたくさんあります。

バーミンガム・ロイヤル・バレエ団『リーズの結婚』木靴の踊り

なかでも、「リーズの結婚」のなかに出てくる、木靴の踊りは有名です。

この作品自体がコメディーぽくつくられていてバレエをご覧になった方でも十分に楽しめる作品です。

日本では「リーズの結婚」というタイトルが浸透していますが、『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』というのが原題で、「親の監督が行き届かなかった娘」という意味のようです。

なるほど、問題の多い娘の物語というわけなんですね。

 La Fille Mal Gardee

さて、話を戻すと今回紹介した「鼻」ですが原作はロシアの作家ニコライ・ゴーゴリの短編小説「鼻」が元になって、ショスタコーヴィチが作曲したオペラです。

ショスタコーヴィチはマーラー以降最大の交響曲作曲家として世界的にも高く評価されています。

からだの一部であるはずの「鼻」がカラダから飛び出し、勝手に歩き回り、踊り出すなんて荒唐無稽でユーモアたっぷりの物語。

その鼻が勝手にカラダから飛び出して踊り出す場面が今回ご紹介した動画です。

ラ・フィユ・マル・ガルデ(リーズの結婚)

もう一つの動画、木靴の踊りは「リーズの結婚」の中で
踊られるとっても有名な踊りなのですが、バレエの主役
リーズの母親、シモーヌ母さんの踊りです。

面白いのはこのシモーヌ母さん
実は男性が踊るのです。

その軽妙で滑稽な踊り

思わず「笑い」を誘います。

バレエ「リーズの結婚」は原題を読むとお分かりのように、フランス語です。

もともとは1789年にフランスで発表されたバレエです。

そして、初演当時は『藁のバレエ、または善と悪は紙一重』という作品からのちに現在のラ・フィユ・マル・ガルデに変わったようです。

注目したいのは、フランスで生まれてイギリスで生まれ変わり花開いたバレエということです。

バレエのなかのユーモア

バレエ作品の中には、ユーモアたっぷりのシーンがたくさんあり、観客の笑いを誘い楽しませてくれます。

今回の木靴の踊りがそうです。
このほかにも、「コッペリア」

コッペリウスとフランツの酒を酌み交わすシーン、コッペリウスとスワニルダが人形に扮した時のやりとりなど、コミカルでとっても楽しいですというより、この「コッペリア」自体がバレエ喜劇と呼んで良いのかもしれません。

また、「ドン・キホーテ」も滑稽なシーンがたくさんあります。

笑顔の子どもたち

バレエは硬いイメージをお持ちの方がいらっしゃるかもしれませんが、バレエ作品は実に多様で、歴史と伝統を守り今日まで受け継がれており、

わたしたちの生活に潤いと楽しさ、笑いを誘ったりと日常生活の煩わしさや面倒なことからしばし忘れさせ、リフレッシュさせてくれ元気をくれます。

そして、バレエの一番の醍醐味はダンサーの高度なテクニック、華麗な踊り、その優雅さ、気品に溢れるたたずまい、

これらすべてが大きな感動を私たちに心の中深く包み込んでくれます。

わたしたちがバレエに魅了される理由です。

ユーモアと不条理

今回、最初に紹介したオペラ「鼻」ですが
荒唐無稽の物語。

そして、ユーモア

滑稽さに笑いを誘ってくれます。

バレエもまた、ユーモアたっぷり、
滑稽さから思わず笑ってしまう

そんな、愉快で時に厳しい現実から解放してくれるオペラやバレエですが、

ユーモアの中に、人生の不条理、現実社会の不条理に対する人間のやるせない気持ちを代弁してくれています。

だからこそ、心からの「笑い」のなかに
涙がこぼれ、笑いと涙で不条理なことを吹き飛ばしてくれて、わたしたちを元気にしてくれ

感動と一緒に応援のメッセージを伝えてくれているのだと思います。

野沢きよみバレエ スタジオ
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