野沢きよみ先生のバレエ作品のなかで、特に初期の作品ー作品を発表し始めてからーの
なかで、珠玉の作品だとおもいます。
この作品「ゴットシャルク」の全編が踊られたのは、1998年 4月26日「Jouer a` le
ballet consert」 の参加作品として、「Irregular2ndーゴットシャルクー」と
いうタイトルで発表されました。

都会的なセンスで洗練された作品で、当時わたしは、パリ・オペラ座のコンテンポラリー作品の
ようなイメージを持っていました。
独特の音楽のリズムを刻むようなジャズを思わせるようなピアノが音を奏でます。
単調でありながら、暗闇のなかにある「静」から、「動」へと
静かに音楽が流れていきます。
やがて激しくピアノがメロディを奏で始めると、舞台全体が明るくなり
ダンサーの姿がはっきりと確認できます。
音楽のテンポが変わり、一段と激しさと底辺に流れていく規則的なピアノのリズム音と
メロディーの交錯のなかに踊りが織り込まれていきます。
ちょうど、縦糸と横糸の織物を織り込むような感じです。
さらに、男女のダンサーを中心に踊り始めると、周りにほかのダンサーが取り囲み
規則的な音楽のリズムに合わせて、ダンサー全員が規則的な踊りを
繰り返します。

そして、
最後に、激しい「動」 の世界から、一番最初の「静」の世界へと
回帰していきます。
舞台全体も、暗くなり、やがて漆黒の世界、「静」へ。
この作品をさらに発展した形で発表されたのが、「WEST 51st STREET」
ではないかとわたしは思うのですが、野沢先生は果たして、そう思っているのか?
不明です。
はっきりしているのは、コンテンポラリーのバレエ作品であるにも拘らず、
クラシックバレエとしての要素が必ず入っていて、しかもトゥシューズで踊るというのが
野沢先生の作品の特徴だということです。
最後に、この作品は野沢先生ご自身が踊っていらっしゃる、
大変貴重な作品でもあります。
