ー人魚姫ー
The Little mermaid
身体は、声を失っても、伝えたい想いがある。
海の底で、まだ言葉にならないものが揺れている。
声を失うという選択。
触れることと引き換えに、言葉を手放すということ。
それは出来事ではなく、決定である。
どこへ向かうかではなく、何を引き受けるのかという問い。
その決定は、言葉としてではなく、身体に現れる。
踏み出す一歩の重さ、伸ばされた腕のわずかなためらい。
この作品が触れているのは、
何かを得ることではなく、
何かを手放すことでしか届かない領域である。
それは悲劇なのか、選択なのか。
あるいは、そのどちらでもないのか。
小さな子供たちが主役のバレエー人魚姫ー
The Little Mermaid Ballet work for chirdren
海の底の静かな世界から、
ひとりの人魚が“外の世界”を見つめるところから、この物語は始まります。
この作品で描いているのは、
出来事の連なりではなく、「想いの選択」です。
声を失うこと。
歩くたびに痛みを感じること。
それでもなお、人を想い続けること。
そのすべては、
“自分ではない何かになろうとすること”ではなく、
“自分の内側にある感情と向き合うこと”として描かれています。
小さな子どもたちにとって、
この物語は少しだけ難しく、少しだけ静かなものです。
けれど舞台の上では、
言葉では表せない感情が、身体を通して現れていきます。
揺れる水のように、
確かではない想いがかたちになり、
やがてひとつの“表現”へと変わっていきます。
この作品は、
「上手に踊ること」を目的としたものではありません。
感じること。
想像すること。
そして、伝えようとすること。
その一つひとつの積み重ねが、
舞台の上で静かに息づいていきます。
たとえ言葉にならなくても、
人は想いを伝えることができる。










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