
「先生みたいにやってみよう。」
バレエのレッスンでは、この言葉が何度も聞こえてきます。
子どもたちは先生の立ち方を見て、腕の形を見て、足の運び方を見て、一生懸命まねをします。
大人の目には「まだ全然できていない」と映ることもあります。
でも、実はその”まねる”時間こそが、学びの始まりなのです。
小さな子どもは、説明だけで体を動かすことはできません。
まずは見て、
そしてまねて、
何度も繰り返す。
その積み重ねの中で、少しずつ「自分の動き」へと変わっていきます。
最初は形だけ。
次にタイミング。
やがて音楽に合わせられるようになり、
最後に、自分らしい表現が生まれてきます。
だからレッスンでは、「よく見ること」がとても大切です。
先生を見る。
お友達を見る。
上手なお姉さん、お兄さんを見る。
見る力が育つ子は、まねる力も育ちます。
そして、まねる力が育つ子は、吸収する力も育っていきます。
「うちの子、人のまねばかりしているんです。」
そんな心配をされる保護者の方もいます。
でも、それは決して悪いことではありません。
むしろ、新しいことを受け入れようとしている証拠です。
学ぶという言葉は、「まねぶ」が語源だと言われています。
昔の人は、”まねること”が学ぶことの本質だと考えていたのでしょう。
もちろん、いつまでも同じではありません。
たくさんまねをした子は、ある日、自分らしい踊りを見つけます。
表情が変わり、
動きに個性が生まれ、
その子だけの踊りになっていくのです。
オリジナリティは、何もないところから生まれるものではありません。
たくさんの良いお手本を見て、
たくさんまねをして、
その積み重ねの先に育っていくものなのです。
今日もレッスンで、一生懸命先生を見つめる子どもたちがいました。
その真剣なまなざしは、
「できるようになりたい。」
という、小さくても力強い意志そのものです。
その”まねる時間”を大切に積み重ねていけば、
きっと数か月後、数年後には、大きな成長となって表れてくれるでしょう。
