静けさに宿る“間”としなやかな“空白”が語る ― 日本の余白とコンテンポラリーの感性

日本の余白とコンテンポラリーの感性

物事を断定せず、必ずどこかに「余白」を残しておく。 これは、古くから日本人が自然に身につけてきた、美の呼吸のようなものです。

“間”が生むしなやかさ

日本人のしなやかさは、そこにある空間──“間”──によって支えられています。 言葉を交わすとき、一瞬の沈黙を置く。舞台の上で、音が止んでも身体の意識はまだそこにある。

この“間”は、ただの空白ではなく、「相手を敬う心」そのものです。

余白という、美の呼吸

日本文化における美は、削ぎ落としの中に宿ります。 俳句が17文字で宇宙を描くように、バレエのひとつのポーズもまた、静止の中で無限の余情を含みます。

コンテンポラリーに息づく日本の感性

コンテンポラリーダンスは、派手な舞台装置や仕掛けを必要とせず、 人間の内面を鋭く表現します。余白や静けさを通して、観客が感情を投影できる空間を生み出します。

余白は、感じるための扉

「余白」とは、空いていることではなく、感じるための入り口です。 詰め込みすぎないことで、人はようやく音の響きや光の揺らぎに気づけます。

静けさの中に、動きがある。空白の中に、語られない想いがある。

日本人の誰もが持っている自然な心と動作
それは人を敬うことを無意識に永い時を超えて受け継がれてきたもの

決して他人に押し付けず、「余白」があり「間」があるしなやかな感性
日本文化の根底にはこうした精神が宿っているのだと想います

クラシックバレエの華やかで豪華絢爛とした宮殿での舞踏や物語とは違い
派手さはない日本の文化

その多くは「道」という言葉に導かれています
「茶道」、「華道」、「柔道」、「剣道」、「弓道」など
そしてその教えの中にあるのは、他者への尊敬と所作、形があります

それは、「道」は永遠に続くもの
常に自分は途中にあるもの
極めてはいない未熟者としての謙虚な認識があります

だから結果がすべてではなく、その過程、生き様が大切なのだと教えられてきました

そこに静かな「余白」と「間」が生まれ所作や形に反映されます。
「道」を極めるために、一切の不要なものを削ぎ落とした「空間」のなかで修行は続くのです

最後に


いつもはバレエについて語り、バレエに興味あるお子様や母親の方に向けて、バレエの魅力や習い事としてのバレエの効果を知っていただくための内容を中心にブログを書かせていただいております。

しかし、今回は<芸術論コラム>という内容のコラム記事となります。
コンテンポラリー・ダンスに通じる、日本文化の”余白の精神”や「舞台芸術」における”間”は海外の方にも読んでいただきたい内容なので、初めての試みですが英文のエッセイも同時に作成しました。

いつもとは違う、堅い内容の芸樹論・美学、文化論などに関わる内容ですが、お読みいただければ嬉しいです。

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