
バレエのレッスンでは、いつも自分が踊っているわけではありません。
先生の説明を聞いている時間。
前のお友だちが踊っているのを見ている時間。
そして、自分の順番を静かに待っている時間。
一見すると、
「何もしていない時間」のように見えるかもしれません。
でも、実はこの時間も、バレエの大切なレッスンです。
「待つ」ことは、意外と難しい
子どもにとって、自分の順番を待つことは簡単ではありません。
早く踊りたい。
自分の番になってほしい。
つい隣のお友だちと話したくなる。
それは、とても自然なことです。
だからこそ、レッスンの中で少しずつ、
「今はお友だちを見る時間」
「次は自分の番」
「先生のお話を聞いておこう」
という感覚を身につけていきます。
ただ静かにしているだけではありません。
自分の気持ちを少しだけ待たせる。
それも、子どもにとって大切な経験なのだと思います。
お友だちを見ることも、練習になる
自分が踊っていないとき、前のお友だちの動きを見る。
すると、
「あ、ここで手を上げるんだ」
「次はこっちの足だ」
「先生が言っていたのは、こういうことか」
と、目で見ながら学ぶことができます。
先生から何度も説明されるより、
お友だちの動きを見て初めて分かることもあります。
バレエは、自分の身体だけで覚えていくものではありません。
見ることも、踊ることの一部です。
順番が来たときに、少し成長している
そして、いよいよ自分の番。
さっきまで見ていたことを、今度は自分の身体でやってみます。
うまくできることもあれば、
思ったようにできないこともあります。
でも、そこでまた次のお友だちの番になります。
踊る。
見る。
待つ。
また踊る。
この繰り返しの中で、子どもたちは少しずつ学んでいきます。
「待っている時間も、無駄ではなかった」
そんなことを、子どもたちは言葉ではなく、経験として覚えていくのかもしれません。
レッスンで育てたいもの
バレエというと、
柔軟性や姿勢、ポジション、ジャンプなど、
身体の技術を思い浮かべることが多いでしょう。
もちろん、それらは大切です。
けれど、バレエのレッスンには、それだけではない学びがあります。
人の話を聞くこと。
人の動きを見ること。
自分の順番を待つこと。
人が踊っているときは、その人を尊重すること。
そして、自分の番が来たら、今度は自分の力を出してみること。
そうした小さな経験が積み重なって、
踊りだけではなく、子どもの中にある「待つ力」や「見る力」も育っていきます。
今日も、待つところから
レッスンの中では、
「早く踊りたい」という気持ちも大切にしたいと思っています。
その気持ちがあるからこそ、踊ることが楽しい。
でも、その気持ちを少しだけ抱えながら、
自分の順番を待つ。
そして、順番が来たら思い切り踊る。
その繰り返しもまた、バレエなのです。
今日も、レッスンの中にある何気ない「待つ時間」。
そこにも、子どもたちの小さな成長が隠れています。
