
最近、「AIがもう一人の自分をつくる」という話を耳にする機会が増えてきました。
“デジタルツイン”という言葉も、そのひとつです。
もし、自分とよく似た判断や動きをする存在がデジタル上に再現できるとしたら――
習い事や教育の意味は、これからどう変わっていくのでしょうか。
少し大きな話のように聞こえるかもしれませんが、
子どもたちの成長を考える上で、無関係ではないテーマのようにも感じます
■ デジタルツインとは何か
デジタルツインとは、現実の人やモノの状態をデジタル空間に再現する技術のことです。
これまでのデータや行動の傾向をもとに、
できるだけ現実に近い形で“もう一つの存在”をつくる。
すでに工場や都市の分野では活用が進んでおり、
人に関する研究や応用も、少しずつ広がり始めています。
■ 「できること」が増えていく時代の中で
AIによって、できることは確実に増えています。
・動きを分析すること
・効率よく練習する方法を見つけること
・繰り返し学習すること
こうした領域は、これからさらに精度が上がっていくかもしれません。
その変化自体は、とても自然な流れのようにも思えます。
■ それでも残るものは何か
一方で、少し違う性質を持つものもあります。
たとえば
・その日の体調や気分によって変わる身体の感覚
・同じ空間にいることで生まれる空気
・言葉になる前の、なんとなくの理解
こうしたものは、数値やデータとして整理しきれない部分を含んでいます。
■ バレエという時間の中で起きていること
バレエは、同じ動きを繰り返す芸術のように見えるかもしれません。
けれど実際には、
同じ動きでも、そのたびに少しずつ違う感覚が生まれます。
・昨日できなかったことが、ふとできるようになる瞬間
・うまくいかない時間の中で、身体が変わっていく過程
・誰かと同じ空間で動くことで生まれる気づき
それらは、結果だけを見ると見えにくいものです。
■ 教える、ということについて
もしAIが進化していけば、
正しい動きや知識を伝えることは、より効率よくできるようになるかもしれません。
その一方で、
・どのタイミングで声をかけるか
・どんな言葉なら届くか
・その子にとって今必要なことは何か
こうした判断は、とても小さく、そして繊細なものです。
はっきりと形にできないからこそ、
人と人の関係の中で生まれている部分も多いように感じます。
■ これからの時代に、少しだけ視点を変えてみる

「何ができるようになるか」だけでなく、
「どんな体験が残っていくのか」という視点で見ると、
今までとは少し違った見え方になるかもしれません。
便利さや効率とは別のところに、
時間をかけて育つものもあるように思います。
■ 結びに
デジタルツインのような技術は、これからも進んでいくはずです。
その中で、
身体を通して何かを感じる時間の意味は、
少しずつ輪郭がはっきりしてくるのかもしれません。
もし、そうした時間に少し興味を持たれたら、
一度スタジオの空気を感じにいらしてください。
画面の中ではわからないことが、そこにはあります。
