「シンデレラ」全幕を発表会で生徒たちが踊ったのですがこの作品には二つの大きな出来事がありました。
一つは衣装合わせのとき、生徒たち全員がホールの多目的室を借りて衣装合わせを行っている最中に、東北の大震災が発生したのです。
幸い子供たち、ママたち、スタッフにもケガもなく無事だったのですが即座に、衣装合わせを中止しました。
その後のホールとの打ち合わせで、発表会はホール側からのキャンセルの申し出があり、その年の発表会はキャンセルとなりました。
翌年、「シンデレラ」全幕の発表会は無事に開催できて、一同安堵しました。
ところが、踊りが進行していくなかで、12時の時計がチクタクと時間を刻みねずみさんたちが踊る場面で、なんと、時計の大道具にトラブルがバトンとロープが絡んで、時計を上下できなくなったのです。
暗転の舞台の中、音楽だけが進んでいきます。
こんなときは、物凄く時間が遅く感じるものです。
いったい何が起きたのか、そのときはこのトラブルの原因は知る由もなく不安な時間がながれていきました。
どのくらい時間が経ったのかわかりませんが、やっと音楽と舞台がかみ合って、踊りが再開できたときは本当にホッとしましたし、安堵の気持ちで一杯でした。
何より出演している生徒たちに怪我もなく、無事であったことがとても嬉しく、その後はトラブルもなく最後まで作品を踊ることができて感動した記憶が強く残っています。
発表会を何度も行ってきたのに、こんなに大きなトラブルに見舞われる経験は初めてでした。
そのため特に印象に強く残っています。
バレエ団の公演で「シンデレラ」の文字をみるとあの時の発表会の想い出が蘇ります。
不思議と大きなお姉さんたちの演技、子供たちの踊りみんなものすごく上手だったと贔屓の引き倒しですが動画をみても、インスタで写真もみても本番の踊りの後ろに二つの大きな事故とセットで強い記憶と感動をかみしめます。