ネコのコンシェルジュ−7<幸恵、ナナ、チー、レイン編1>

9月の雨の降る夜でした。
我が家に帰る道をうちのおじさんと横断している時に、うちのおじさんが「ネコだ!」と言いました。
「どこ?」私には見えませんでした。
話を聞くと、私たちとは反対側の道の物陰から道を突っ切って走って渡ったとの事。うちのおじさんの横を通ったそうですが、黒っぽいネコだったそうで振り返ってみても見えません。歩道を歩きながら私には見えなかったネコの話をしていたら、道の反対側から走って戻って来たネコが!
私たちの足下から離れようとしません。やせっぽちのキジトラの男の子でした。すりすりと甘えることしばし。この仔も飼われていた仔だと分かります。抱かれても脱力してグニャンとしています。お腹がすいているようですが子猫ではないしだいぶ大きくなっていたので、もし飼い主がいたらと思いそのまま道に残して歩き始めたら、この仔も又ついてくるでは有りませんか。我が家迄ついて来たのでとりあえず食べ物をあげてお腹いっぱいになった所で中には入れず、飼い主がいる場合も考えて一晩様子を見ようということになり玄関でお別れをしました。
この時、私たちには迷いが有りました。幸恵が高齢になり体調にも波があり、新しい家族を引き受けられるか心配だったからです。
次の朝、お家に帰ったかな?と思って玄関を開けるとそこにまだ居るでは有りませんか。
あぁ、この仔は自分で自分のお家はここしかないと決めたのね、と思いました。
雨の日に我が家に来た男の子「レイン」と名付けました。

猫かぶりのレイン 実はギャングだった!

猫かぶりのレイン
実はギャングだった!

レインは初日はとてもおとなしく『借りて来たネコ』の言葉そのもののたたずまいで、チーからはフーフー、シャーシャー、の威嚇に加えネコパンチも飛び出しました。ナナは近付こうとさえしません。3匹の男の子達どうなる事やら‥

ところが、ところがです。レイン本領発揮!借りて来たネコはたった1日だけのポーズだったようで、ギャングに変身!!
一番心配だったお年寄りの幸恵ちゃんにも突っかかって行きます。
我が家では幸恵ちゃんが1番でお前さんは4番目だよ、と、しつけをする日々が始まりました。自分の存在を認めさせようとレインのマーキングが続きました。こんなギャングのレインも幸恵ちゃんはその大きな肝っ玉で受け入れ、レインに威嚇する事は有りませんでした。マーキングが続いていたのでレインを去勢し、少しはおとなしくなるかな?との期待も外れ、猫かぶりのレインは人に触られるの嫌い、抱かれるの嫌い、1匹オオカミのような猫でした。我が家に来るためだけに「猫かぶってたのねぇ」と思わせる猫、レイン。
そんなレインを横目にナナとチーはいつも2匹で丸くなって寝ていました。遊ぶのも兄弟でだけです。

仲良し兄弟 チーとナナ

仲良し兄弟
チーとナナ

レインは遊んで欲しくて近付きますが、相手にしてもらえません。
この頃の幸恵はほぼ1日中寝ているようになっていたのでレインの相手などする気もないという感じでした。

肝っ玉母さん 幸恵!

肝っ玉母さん
幸恵!

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