2010.02.20

2月 20th, 2010 Filed under: essay by Nozawa Kiyomi

我が家のレインくんがやっと家猫になったように思います。
ある日の夜、夫が道路を渡っていた時に、あっ!ねこダ!と振り返ったら夫の足下を通り過ぎて道路の反対側に走り抜けたねこ。
私は気づきませんでした。振り返ってみてもねこの姿は見えず、そのまま歩道を歩いていたら突然ねこが夫の後についてきました。
通りを渡って反対側に行ったにもかかわらず、戻って来てついて来たのです。
二人でビックリしているとやせたその猫は私たちの足下から離れませんでした。
私が抱き上げると抵抗もせずおとなしくしています。あまりに人に慣れている様子が飼い猫のようで、それなのに痩せっぽちで軽くて頼りなげで、まだ半分子供で、抱き上げたのを下に降ろして様子を見ていても去る気配は全くなく、歩き出した私たちの後を着いてきます。
その日は雨も降っていたのでとりあえず我が家にそのねこをつれて帰りました。
お腹がすいていたようでビックリするほどご飯を食べ、その後はお風呂です。奇麗に体を洗い乾かしてとりあえずケージに入れました。
我が家には既にねこが3匹いて、高齢の幸恵ちゃんは20歳近くになっていたので体調もあまり良く無かったので、すぐに一緒にする事は出来なかったのです。
ねこは後から来た猫の方が強く既にいる猫の場所をとってしまう場合もあり、また病気を持っている場合もあるからです。
外から来た猫はどのような状況でいたのか解らないので、まずは飼い主さんがいる事を考え、外に帰すようにします。翌日玄関から外に出そうとすると出て行きません。ちょっと外には出てもすぐ戻ってきます。それを2〜3日続けても出て行きたがりません。この様子を見ていると捨てられてしばらく野良の生活をしていたのが解りました。元から野良の生活をしていたねこはこれほど人に信頼を置かないので、この子は家から出て行きたくないのだということが伝わります。
私たちはこの猫を我が家に迎える事にしました。
雨の日に来たのでレインと名付けました。男の子で4〜6ヶ月位に思えます。まだ大人の体になってはいませんでしたので。
我が家に来た当時はとてもおとなしく人の言う事をとても良く聞く珍しい猫でした。
それもつかの間、我が家にいられると思ったのか本領発揮です。若さと黒のキジネコで男の子という性格そのままで、元気で暴れ回り、突然ずっこけたり、我が道を行くようになりました。
触られるの嫌い、抱かれるなんてもっての他。なでられてもグルとも言わず、シッポを触ると噛みつこうとします。他の猫とは交わらずいつも距離を置きます。
こんな性格でも幸恵ちゃんは威嚇するでも無く受け入れます。いつもどんな子でもそのまま受け入れる幸恵はすごいと思います。そんな幸恵も24歳で天寿を全うし、その後を次いだのがナナちゃんでした。それまでほとんど鳴く事もなくおとなしく細身で、人間が大好きのチャトラの男の子ですが、幸恵が亡くなってしばらくすると吠えるように泣く事が多くなり幸恵の跡を継ぎ我が家を守っているようです。そんなナナとチーも13歳になりました。いつも2匹でとぐろを巻いて寝ています。ちーは犬のような猫で夫が大好きで夫が名前を呼ぶと返事をしますし、着いてきます。人見知りで、すぐ逃げて隠れてしまう恐がりですが、体は一番大きく重い子です。
他の猫と遊びたいのに上手く行かないレインはいまだチーとはそりがあわず、ナナは親分肌を発揮してレインを受け入れるようになりました。
レインは我が家に来て4年後くらいからグルグルとご機嫌の表現をするようになりましたが、それも明け方だけで気が向いた時の限定です。いまも他の猫と違いほとんど喉を鳴らしません。ですが寝ているときに前足を伸ばしたり、目測を誤って落ちそうになるしぐさにはおっとりしたねこらしい性格を感じさせてくれます。
そんなレインですが7歳になってやっと家猫になったように思います。いまは自分から私たちのそばに来るようになり、膝の上に自分から乗り寝るようになりました。短い時間ですがなでられるのも受け入れるようになりました、今迄は触られると逃げてすぐにその場所をなめて人の臭いを消していましたので。野良で生きていくのはこういう事が必要なのだとあらためて教えてくれていました。「猫をかぶる」という言葉を実感させてくれた始めての猫です。大好きな食べ物も人の手からは食べずに一度床に落としてから食べます。草を食べるときも何度も何度も匂いを確認して大丈夫と思ったら食べるので、他の猫よりとても時間がかかります。まだまだ完全に飼い猫になってはいませんが、8年経ってやっと心を許せるようになった奥手の子のかなと思います。レインの毛はビロードのようで触りごこちが良く、時とともに変わっていく様子をみているのはとても楽しい瞬間です。
我が家でのねこたちはとても癒し系ような気がします。

Latest Post